米価が昨年から高騰を続けてゐる。政府は新米が流通する頃には落ち着くと表明してゐたが、その気配はない。慌てて備蓄米の放出を決めたが、その効果は一向に現れない。
事実は長年の減反政策の結果、米の生産量が大幅に不足してゐるにも拘らず、政府はそれを認めない。加へて、放出した備蓄米は一年後に買ひ戻すことを義務付けてをり、量的不足には何の効果もない。
昭和時代からわが国の農業政策は“猫の目”農政と言はれて来た。近視眼的時局の変化や党利党略で目まぐるしく変転して、農業者はそれに振り回され続けて来た。長期的な食糧安全保障的思考を欠如させ続けて来た結果、食糧自給率もG7の中では最低であり、今や農家の高齢化がそれに拍車をかけて、独立主権国家として国の基本を揺るがす由々しき事態である。その場凌ぎの安い輸入米に依存しようとする声もあるが、今こそ中長期的農業政策の確立に挙国一致で取り組まねばならない契機である。
加へて関税交渉における米国産米穀の輸入圧力に対しては、断じて屈してはならない。自動車との取引材料などに応じることは亡国への選択である。政府及び国民の覚悟が求められてゐる。
令和七年四月十八日
維新政党・新風